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2010年11月16日火曜日

加藤眞三先生『患者学~患者中心の医療を実現させるために~』

講演タイトル:
加藤眞三先生(慶応義塾大学医療看護学部教授)
『患者学~患者中心の医療を実現させるために~』

日時・場所:
2010年12月18日(土) 18:00~20:00
於:田町キャンパス・イノベーション・センター4階 405教室 (25人)
講演会のあと講師を囲んだざっくばらんな懇親会があります。(会費制です。おおむね2500円位です。)

申し込みはコチラからです。

主催:
◎医療サービスイノベーション研究フォーラム

モデレータ:
松下博宣(東京農工大学大学院技術経営研究科)

「今回は、上田紀行先生のバトンを継いで加藤眞三先生の登場です。「生きる意味」を臨床現場で患者さんと深く接しつつ深く考察、実践していらっしゃる方です。医療サービスの中心に患者を置くと、いったいどうなるのか?医療サービスイノベーションを構想し、実践する視点を共有しましょう!」

(1)トークのテーマ
「患者学~患者中心の医療を実現させるために~」

(2)テークの概要
お話頂く加藤眞三先生は、1980年に医学部を卒業して以来、大学病院、都立病院等で消化器内科の臨床に従事し、肝臓病、特にアルコール性肝障害を研究テーマとされてきました。その間に、大学病院等における現代の医療に様々な点から問題を感じ、「患者中心の医療とは何か」を悩み考えられてきました。そして、慢性病やがん患者に対する、患者教育や情報提供、患者への情報リテラシー教育、そしてスピリチュアルケアに関心を抱かれています。

1992年、都立広尾病院にて肝臓病患者のための情報提供の場として肝臓病教室を立ち上げ、18年が経っています。それを全国の医療機関に普及させるために「肝臓病教室のすすめ」(メディカルレビュー社)を上梓し、100を超える施設から350人余りの見学者を迎え入れています。現在、全国で150を超える医療施設で肝臓病教室が開催されるにいたっています。

一方、患者にも自ら積極的に医療に参加し、患者と医療者の協働関係を作り上げることを訴えるために、「患者の生き方;よりよい医療と人生のための患者学」(春秋社)を上梓されいます。

2005年に慶應大学の医学部より看護医療学部へ異動となり、慢性病態学と終末期病態学の担当となりました。看護医療学部は看護と医療ケアを教育・研究するために作られた新しい学部であり、今までの専門分化した臓器別の医学でなく、医療を慢性期、終末期という観点から見直す機会となりました。

そして先生は「患者のための医療情報リテラシー」というHP(MELIT)を立ち上げました。患者会のネットワークにも積極的に参加し、患者が自らの病気をどうとらえているかを記載した教科書づくりに加わっています。それを今までの客観的な科学に基づく教科書ではなく、患者による主観的病態学の教科書であると位置づけていらっしゃいます。

また、現在、慢性病患者におけるスピリチュアルケアの一つの形として、患者同士のグループワークをシステム化することを試みていらっしゃいます。

(3)加藤眞三(かとう しんぞう)先生のプロフィール

昭和55年8月
慶應義塾大学医学部卒業
昭和56年4月
慶應義塾大学大学院医学研究科博士課程入学(内科学専攻)
昭和60年7月  医学博士(慶應義塾大学)の学位取得
昭和60年 7月
米国ニューヨーク市立大学マウントサイナイ医学部内科
Research fellow, 兼ブロンクス退役軍人 (VA) 病院内科 Resident in
Liver Disease and Nutrition(昭和63年11月まで)
平成 2年12月
都立広尾病院内科医長, 内視鏡科科長 (平成6年7月まで)
平成 6年 10月
慶應義塾大学 専任講師 (医学部内科学)(平成17年3月まで)
平成17年4月 慶應義塾大学看護医療学部教授 (慢性期病態学、終末期病態学)
現在に至る。

●所属学会および研究会関係活動
(国内関係)
日本内科学会(認定医)、日本消化器病学会(学会評議員、指導医、専門医)、日本肝臓
学会(東部会評議員、指導医、認定医)、日本消化器内視鏡学会、日本アルコール薬物医
学会(理事、評議員)、日本成人病(生活習慣病)学会(評議員)、日本微小循環学会、
アルコール医学生物学研究会、こころとからだの痛み研究会(世話人)、日本保健医療行
動科学会、東京アルコール臨床懇話会(幹事)、日本医学教育学会、
(国際関係)
International Society for Biomedical Research on Alcoholism (Member)
Research Society on Alcoholism (USA) (Member)

●主な研究課題
アルコール性肝障害および薬剤性肝障害の発生機序、エタノール代謝
患者教育、肝臓病と栄養、肝臓病と運動、スピリチュアルケア

●主な書著
「肝臓病教室のすすめ」 メディカルレビュー社 2002年
「肝臓病生活指導テキスト」 南江堂  2004年
「患者の生き方」 春秋社 2004年
「患者と作る医学の教科書」 日総研 2009年
「今日の治療薬」 2010年 南江堂

●ホームページ
患者のための医療情報リテラシー(MELIT)
http://melit.jp/